少年が俺ならば

そうだ、少年は負け組だ 故に少年には権利ないんだ あっちゃだめだ欲しがっちゃダメだ希望もっちゃダメだ生きていちゃダメだ希望持っちゃダメだつまりはそういうことだ。被害妄想で結構、I'm confused そうしてバットをぶん回した。 港の倉庫ではなく近所の公園で金属バットが唸りをあげた、本当に壊したいものは何一つ壊せないくせに本当に救いたいものは何一つ救えないくせに 少年は何一つ勝てないと言うのに。 少年はバットをもう一度握りなおす。そうして振り下ろした。 地面を少し抉ってバットは止まる。 
「全然ダメなんだよ、こんなんじゃ。 平々凡々お約束、十把一絡げにされてしまうようなんじゃダメなんだ。 そう、完膚なきまでの破壊が必要なんだ。 目的を破綻し目標を破断し希望を遮断する、そんな破壊が必要なんだ」 そうしてまた振り下ろす、届かぬ完膚なき破壊に向けて少年が振り下ろすのはバットではなくただの虚勢