最近はバンドや音楽から離れた生活が続いていたわけだが、そういう生活の中でわかったこと。僕はきっと、音楽がなくても死なないのだ。

ロックンロールがなくたって飯は食っているし、パンクロックがなくたって1日過ごしている。だから僕はきっと、音楽がなくても生きていく。これは僕にとって大きな発見であると同時に、ものすごい危機でもある。バンドをやっている、音楽をやっている(もっともそんな奴はゴマンといるわけだが)ということで保ってきた(クソみたいな)アイデンティティを、僕はほんの数ヵ月で粉々にしてしまったのだ、自分自身の手で!


更地に立たされた僕に成す術はなかった。粉々になったアイデンティティの砂なんぞ、むなしい味しかしないのだ。アイデンティティの再構築が僕に課せられたわけだが、僕には再構築の上で必要な資材がないことも、同時に発見することになった。僕は所詮、ガラス玉にもなれない、空洞だったのだ。