僕が音楽をやることで何か変わるのだろうか、と思う。
もっともらしい事を言って、誰かの曲で下手糞に騒ぎ立てる僕に、何かを変えられるのだろうか、と思う。
例えば他の人から見たらそれは自己主張でしかない時もあるわけだ。目立ちたいとかそういった自己陶酔を満足させる為に音楽をやってる――そういう人にとっては音楽ですらないのかもしれないけど――って思われてもそれを否定する事は出来ない。実際それも確かにあるから。
けどさ、そうじゃないんだ。俺が本当にやりたいのは、人を救うことだ。人の言葉を借りてでしか歌えないけど、確かに音楽は俺を救ってくれていて、だから今度は俺が誰かを救いたいんだ。それは下らない美意識とか、しょうもない自己満足なんかの為じゃない。今は名前も知らない誰かが傷ついた時に、少しでもそれを忘れさせられるように。だから俺は歌うんだ。そう思う。
2006年9月9日。あの日、俺はなんでも出来ると思った。あの日、確かに俺は救われた。笑われると思うし、お前なんかに出来るかって罵られると思うけど、俺は本当に、そう思う。もし、俺が歌ったとき、少しでも誰かの気持ちを楽にしてあげられたなら、俺はどんだけ笑われたって平気だと思うんだ。俺がやりたかったことだから。