受験体験記〜1.大学選び〜

受験が終わったらこういう感じの体験記、みたいなのを書こうと思っていた。人の体験記を読むのは大好きだし受験の分析みたいなのを読んだりするのも大好きなのだけど、いざ自分で書いてみようと思うとなかなか困るモンですね。不定期更新。


大学に行こうとちゃんと思ったのは2年の夏だった。それまでは音楽系の専門学校も視野に入れて考えていた。専門学校ならエンジニアとかになれるかなあ、と漠然と思っていたのだが、学校の説明会などに見学に行くうちに考え直した。専門学校に対する知識の薄さを痛感したからだ。学費の面でもその後の進路などの面でも、僕の考えていた甘いイメージは悉く覆された。そして僕は、真剣に大学を選ぶことになる。
まず当初考えていたのは埼玉大学教養学部。通っていた塾の先生が埼玉大学の学生だったことや、中学の頃にきた教育実習生によくしてもらったこともあって、漠然と埼玉大学に対していいイメージを持っていた。僕は大学に対して「自分の将来を決めるまでのモラトリアム期」と考えていたので、なるべく多くの経験を積める学部を選びたい、と思った。そこで大学に何度か足を運んだり、前述の塾の先生や先輩に話を聞いたりして、色々な体験が出来るのは教養学部だ、と思い学部も決定した。
この頃、僕は芸術にも興味を持っていた。たまたまその頃にOB・OGが学校に来て進路体験を語る、という授業があり、そこに参加していた日本大学芸術学部の方の話を聞く機会があったことで、日芸もまた進路の一つとして僕の選択肢に加わることになる。しかし、美術や演劇は好きだったとは言え、二次試験には実技試験が加わる。僕はそういうことに関する勉強はおろか基礎的なことさえも触れたためしがない。そう考えると、受験学科は自然と放送学科と文芸学科に絞られた。テレビやラジオにも興味はあったので魅力的ではあったのだが、それ以上に僕は文章を書くことが好きだった。また、文芸学部という名前から創作に関することを想像していたのだが、授業内容は多岐に及び、ジャーナリズム論やマンガ論、といった講義も受けられる事を知り、文芸学部を志望しようと決めた。しかし受験するかどうかまでは決めなかった。滑り止め、とまでは行かないけれど、ある本に日芸の就職率はあまりよくない、という話を聞いて躊躇したからである。
実はここから僕の志望校選択はぱったり止まる。大学入試に関する知識の欠如から、まあこれくらい受ければいいかなと思っていたのだ。それ故危機感も抱かないままだった。僕が危機感を抱くようになったのは、周りの友人が志望校を確定させ始め、徐々に受験モードに入っていく5月頃である。
周りの動き方を見て、自分が遅れている、ということにようやく気付いて動き出したわけだが、どこを選べばいいのかよくわからない。とりあえずMARCHと呼ばれる明治、青山学院、立教、中央、法政のパンフレットを入手し、全てに目を通した。この時、興味をそそられたのは法政大学だけだった。設備面の充実具合、通学のしやすさ(実は立教の方が通いやすいのだけれど)などから、どういう大学なのかな、と友人とオープンキャンパスに行くことにした。この時友人が国際文化学部を見たい、と言っていたのでそのオリエンテーションを見たのだけれど、率直な感想として、あまり興味が湧かなかった。外国語に関するプログラムは確かに面白そうではあったのだが、それ以外に出来ることが少なくなってしまうように感じられたのだ。
他の学部も見て回っていた時、キャリアデザイン学部が目に入る。デザインと書いてあったので、なんとなく見てみようかな、と思ってオリエンテーションを見学した所、最初のデザイン、というのは僕の大いなる勘違いで、人間の人生設計に関する学問であることを知った。この時は若干ガッカリした気持ちを持って笑 帰宅の途についたのだが、家に帰ってから渡された小冊子を読み、授業内容が非常に面白いなあ、と思うようになる。例えば職業体験のようなものだったり、様々な職業のプロフェッショナルを呼んで講義を行ったりする授業だったり、かなりバラエティーに富んだ授業だな、と思い、受験を決める。

僕の志望校選びのポイントとなったのはどのくらいたくさんの経験が出来るか、という点だったと思う。「この勉強がしたいから」ということではなく、「いろいろ出来そうな学部」を選んでいた。


こんな感じで続きます。